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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『不運つづきの娘』 作:マダム・ルプラン・ド・ボーモン(ボーモン夫人) 挿絵:アダマール

『不運つづきの娘』 作:マダム・ルプラン・ド・ボーモン(ボーモン夫人) 挿絵:アダマール_b0106921_1235022.jpg
先述の『美女と野獣』で有名なフランスの女性作家ボーモン夫人(マダム・ルプラン・ド・ボーモン)のお話の中には他にも好きな作品が幾つもあるのですが、『不運つづきの娘』というお話の中の主人公の娘オーロール。18世紀の作品であり、ボーモン夫人が子どもたちを愛して古い民話を編んだり、英国滞在時での教育事業に傾けた熱意と誠実さ、モラリテが強くお話から感じられる。ボーモン夫人の子供たちへ注がれる眼差しを。各国の仙女物語やおとぎ話の中でよく見られることながら、この『不運つづきの娘』にも登場するもう一人の娘エーメ。彼女はオーロールの妹でこの姉妹は共にたいそう美しい少女である。けれど、妹のエーメは意地悪な性格の持ち主。姉オーロールは心優しく賢明な娘。どうしたわけか、その姉オーロールにばかり不運が訪れる。羊飼いのおばさんはその都度、オーロールに助言を与えてくださり、素直な娘はその言葉を受け入れ、どんな試練がやって来ようと動じない気高き意思をも備えてゆく。

この姉妹と結婚することになる王さまとその弟君。王さまは弟が結婚するという美しい娘オーロールを手に入れようと企てる。けれど、オーロールが荊で美しい顔が傷だらけになってしまった時に王さまは娘に会うことに。王さまは何故こんな醜い娘を弟が愛したのかわからない。オーロールは痛い上にとても傷ついただろうに。けれど、その時、荊で怪我を負わなければ愛する弟王との結婚は妨げられていたのだ。古今東西、人生は正負の法則なのだと教えられる。上の挿絵はアダマールというお方によるものをスキャンしました。オーロールと弟君の王さまはめでたくご結婚されるのだけれど、ある日森でお二人の赤ちゃんが海賊に奪われる。この絵の海辺に描かれている女性はその海賊の妻で抱きかかえている赤ちゃんはオーロールと弟君の王さまの子供。海賊の船は難破してしまいこの二人だけが生き残り、運命的な幸せな出会いで終えました。そうそう、オーロールを化け物扱いした王さまはオーロールの妹エーメと結婚。しかし、性悪の妻を持ったがゆえに苦悩のあまり亡くなってしまいました。オーロールの荊での顔の傷は癒えて元の美しいお顔になっています♪
by claranomori | 2010-08-06 11:55 | 本の中の少女たち・少年たち