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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『ジェニーの肖像』 時をかける少女ジェニー★著:ロバート・ネイサン (1940年)

『ジェニーの肖像』 時をかける少女ジェニー★著:ロバート・ネイサン (1940年) _b0106921_12442815.jpg
★『ジェニーの肖像』(1940年刊行)は、詩人でもあるロバート・ネイサンの情感溢れる傑作ファンタジィ。

「1938年、冬のニューヨーク。貧しい青年画家イーベンは、夕暮れの公園で、一人の少女に出会った。数日後に再会したとき、彼女ジェニーはなぜか、数年を経たかのように成長していた。そして、イーベンとジェニーの時を超えた恋が始まる・・・」というお話で、新訳版(創元推理文庫)には『それゆえに愛は戻る』が併録されている。

ロバート・ネイサン(Robert Nathan:1894年1月2日~1985年2月25日)は、アメリカ・ニューヨーク生まれの作家。ハーヴァード大学在学中より創作、詩作を始め、後には映画脚本も手掛け、児童文学作品も残されている。この特異なる作家の作風は安易ながらも≪ファンタジー≫という形容が似合う。それも儚く美しい。訳者による「喪失の中にこそ人生があり、芸術がある。逆に、喪って初めて得るものもあるし、喪わなければ手に入らないものがあるのだ。」という記述に心を射られた私。ウィリアム・ディターレ監督による同名の映画作品(1947年)も大好きで、主演はイーベン(エヴン)役をジョセフ・コットン、時をかける少女ジェニー役をジェニファー・ジョーンズが演じ、神聖なるアリス院長役はリリアン・ギッシュであるので忘れ難い作品の一つ。劇中ミス・スピニー(エセル・バリモア)が語る「心に見えるものこそ真実」という言葉と表情も心に刻まれている♪
by claranomori | 2010-04-19 12:40 | 本の中の少女たち・少年たち