『向日葵(ひまわり)』 作:吉屋信子 画:中原淳一 『花物語』より
2010年 03月 18日
お花は大好き!姿かたちも様々なら芳香も。子供の頃から好きなお花はやはり今も好き。綺麗な薔薇はどんな色でも好き。誕生花である白百合も大好き。小さな野に咲く名も知らぬお花も可愛いから好き...。けれど、あまり好きではないお花というのも幼い頃からある、僅かながら。その筆頭は「向日葵(ひまわり)」と決まっていた。母はお花を愛し育てていた、あの姿が浮かぶ。私が小学生の中学年頃だっただろうか。初めてお家の花壇にひまわりのお花が咲いた。夏休みの予定表には朝起きてからの私の日課であった"花壇のお水やり"という項目があった。他のお花よりぐんと!背丈があり快活で鮮やかな色をした大きなお花。勿論、ひまわりにもお水をあげたけれど、きっと他の草花たちに話しかけるように...という具合ではなかったと想う。何というのかな..."元気いっぱい"な姿に負けてしまうような私が居たように想う。母にそんなお話をしたけれど、「お母さんはひまわりだって好きだけどね。」って微笑んでいた。あれから随分時が経ち、今の私はようやくひまわりも太陽の輝きの尊さや美しさを少しは感じられるようになってきたところ。なので、吉屋信子さんの美しいお話より♪
月見草とも見え給うかな
向日葵の花よ、花よ、御身は強過ぎる花と、少女達はあるいは眉ひそめて近よりがたく思うであろう、けれども御身の花のその中に含まれた人知れぬ優しく弱き心の涙を、孤独我れのみ一人生くる如く、陽にくるめきて咲く強き花葩の陰に包むのを、よく知れる美しき少女は一人はあるものをその名は宝木関子-そのひとそれより向日葵の花を愛すること世のなみならずと伝う。