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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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マリー・タリオーニ(MARIE TAGLIONI)★ロマンティック・バレエ時代の妖精 『ラ・シルフィード』

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マリー・タリオーニ(1804年4月23日~1884年4月22日)は、19世紀ロマンティック・バレエ時代を代表するバレエ・ダンサー(バレリーナ)。スウェーデンのストックホルムで生まれ、幼い頃からバレエを学び1822年にウィーンで初舞台。1827年にはパリ・オペラ座にて初舞台。1832年にはオペラ座で父(フィリッポ・タリオーニ)の振付による『ラ・シルフィード』で主演。ポワント(爪先立ち)を新たなる美学の表現としてヨーロッパ中に広めることになったお方。このポワント技法が生まれたのは19世紀初頭とのことながら、最初に生み出したのが誰だかは判っていないという。その後、パリを離れ1837年から5年間はロシアのサンクトペテルブルクで活躍。1847年に引退。晩年はバレエ教師として生計を立て、マルセイユにて死去された。

純粋舞踏的な様式(形式主義)と演劇的な様式(表現主義)との関係はバレエ史の中で複雑に変容してゆくようです。マリー・タリオーニの活躍された時代は演劇的な様式(表現主義)で、現実よりも夢や超自然、理性よりも感性・想像力・情熱といったものを称揚する「ロマンティック・バレエ」の時代。私の好きな「ロマン主義」はバレエの世界にも欠くことのできないもの。すべてが繋がるという豊かさ♪
マリー・タリオーニ(MARIE TAGLIONI)★ロマンティック・バレエ時代の妖精 『ラ・シルフィード』_b0106921_23294869.jpg
『ラ・シルフィード』という舞踏劇は、シルフィードという妖精(空気の精であり森の精)、村の青年ジェイムズ、同じ村の娘エフィの三角関係の物語。けれど、主人公はこの世の者ならぬ妖精なので、軽やかに空中を浮遊する。その表現にポワント技法が最適であり、人間の動きとの対比にも効果的であった。『ラ・シルフィード』の原作はシャルル・ノディエの『トリルビー、あるいはアーガイルの妖精』(こちらでは妖精が男性で女性が人間)。さらに、ノディエの小説はスコットランドの伝承を元に書かれた小説であるので、この舞踏劇の舞台はスコットランド。面白いことに、これらのロマン主義な舞踏劇の舞台がフランスではなく異国であることも遥かなる憧憬。今より遥かなる刻、此処より向う側という世界にやはりロマンはお似合い。私はこのような世界がとても好きで安堵する☆
by claranomori | 2009-10-05 22:58 | バレエ・オペラ・ミュージカル