ルイザ・メイ・オルコットの自伝的な内容も含まれている不朽の少女小説であり児童文学でもある『若草物語』はいったい幾度映画化されているのだろう。このマーヴィン・ルロイ監督の1949年作品は既に4度目の映画化だそうだ。アニメや日本映画も含めると6作品の『若草物語』を観ているのだけれど、今のところ、その中で一等好きなものはこの1949年のもの。この頃ならではのテクニカラーが好きだし、お衣装や小物、舞台セットなどが実に美しい!また、それぞれ性格の異なる四姉妹たちも。原作や他の映画と異なるのは、三女のベスと四女のエイミー(エミー)を変更している点。それは、当時、名子役として人気を博していたマーガレット・オブライエンがエリザベス・テイラーよりも年少であり、幼くして病に死す内気な少女ベスを演じることで。名演技に涙したお方も多いのだろう。原作では姉妹たちは皆まだ10代。次女のジョーを演じるジューン・アリソンは当時32歳だったというけれど、ハツラツとした快活なジョーを演じている。長女のメグ役のジャネット・リーは原作のイメージと私は少し違うのだけれど、美しいし好き。リズは撮影当時16.17歳で既に完璧な美を誇っている。エイミー役にお似合い。初めて観た時に少し違和感があったのは、多分リズなのにブロンドの髪の少女だったからだと思う。こんなにブロンドのリズは他の作品では拝見出来ないのではないだろうか。縦ロールの髪も素敵だけれど、終盤のローリーと結婚する場面(ヨーロッパから帰国後)の後ろで纏めた美しいヘアスタイルの方がお美しいお顔立ちが際立つように思う。舞台は19世紀半ば。姉妹の中でも中心はジョー。裕福ではないが姉妹はお互いを思いやり、両親を尊敬し愛している。また、隣人やご近所の人々への慈愛も深く、その中でのそれぞれの乙女心。時代は随分違えども、ある時期の少女たちには共通するものがいつもある。なので、100年以上前の小説がいつまでも愛され続けるのだろう。ジョーは個人的には
ジリアン・アームストロング監督作品(1994年)でウィノナ・ライダーが演じたものがお気に入りなのは今も変わらないけれど、どれを観ても最後は感動で泣いてしまう。
若草物語/LITTLE WOMEN
1949年・アメリカ映画
監督:マーヴィン・ルロイ 原作:ルイザ・メイ・オルコット 撮影:ロバート・プランク、チャールズ・ショーンボーム 音楽:アドルフ・ドイッチ 出演:ジューン・アリソン、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー、ジャネット・リー、ピーター・ローフォード、 メアリー・アスター、C・オーブリー・スミス、ロッサノ・ブラッツィ