『もう森へなんか行かない』または『月桂樹は切られて』エドゥアール・デュジャルダン(EDOUARD DUJARDIN)
2009年 06月 14日
そして、私個人の好きなロマン逍遥は各国入り乱れて大騒ぎとなる。19世紀の幕開けのようなノヴァーリス。ゲーテを忘れるわけはない。キルケゴールやショーペンハウアー、そしてニーチェ。フランスはこれらのドイツ・ロマン主義や英国文学からの影響を受けてフランス・ロマン主義の時代へ。スタール夫人やシャトーブリアンに始まる。そして、ユゴーやバルザック、デュマやスタンダール、ミュッセもいいな...そして、ボードレールやネルヴァル。ヴェルレーヌにランボー。ジョルジュ・サンドも。ロシア文学だとツルゲーネフやドストエフスキー、トルストイもいる。ああ、イプセンもいるし、19世紀末英国にはオスカー・ワイルド!!私の生まれる遥か彼方の方々や作品、登場人物たちが共に今ここにいることの喜びに心奮えるのだ。古典を継承しつつ忘れられていた音の響き。抒情の復活である!これこそ私の最も好きな”ロマン”の所以かも知れない。よく分からないけれど、エドゥアール・デュジャルダンやジョイスの「内的独白」という形体は好きだし、ロマン派の社会や現実とのズレから孤独や幻想世界へ誘う心の漂流が好き。”生きる”ために”苦しむ”。当たり前のことのように今は思える私。社会とのズレの大きさは時に疎外感ともなる。けれど、私の心のおもむくままに。どんなに人生が苦しく嶮しくとも、生きるため、幸福を、人生謳歌するためには目を背けるわけにはゆかない。受け入れよう。そして、出来るだけ”美”へと昇華しながら小鳥のさえずりや草花の美しさに微笑んでいたい♪
※上の挿絵(挿画)はアリス・ラーフリンというお方によるものです。