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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『ネル NELL』 未開の森で育てられた娘ネル(ジョディ・フォスター) 監督:マイケル・アプテッド

『ネル NELL』 未開の森で育てられた娘ネル(ジョディ・フォスター) 監督:マイケル・アプテッド_b0106921_21431676.jpg
ジョディ・フォスター主演の映画『ネル』(1994年)。2005年に観直し映画ブログに感想を少し綴ったものに加筆。しつこい様だけれど、私はジョディ・フォスターが子役の頃から好き。イェール大学に通う頃のジョディはやや映画出演が減っていた。しかし、ジョディが30代になるかならないか頃からだろうか、何か関心が再度高まるお方であった。演じる中で感じられる知的でピュアな眼差しのようなものに”美”を感じたのかも知れない。そして、映画『ネル』を観て「ジョディ・フォスター大好き!」と確認出来たように思う。初めて観た時はあまりの感動とショックとかで涙が止まらず、暫く観れなかった。いつもの様に好きな作品は繰り返し観るのだけれど、いまだに泣いてしまう。でも、お涙頂戴映画では決して無い!
『ネル NELL』 未開の森で育てられた娘ネル(ジョディ・フォスター) 監督:マイケル・アプテッド_b0106921_2143314.jpg
この『ネル』はジョディが設立した映画製作会社エッグ・ピクチャーズの第1作。ジョディ演じる野生の娘の話す“ネル語"を創作する過程にも参加している。原作戯曲はマーク・ハンドレーの『構語不全(イディオグロシア)』。この原作は知らないけれど興味がある。このようにジョディが製作にも携わっている作品でもあり、全身全霊を込めた演技が実に素晴らしく美しい。また、舞台となるノース・キャロライナの森と湖の深い神秘の美しさ、彼女を守ろうとする医師役(ジェリー)のリーアム・ニーソンと精神科医役(ポーラ)のナターシャ・リチャードソンという配役も嬉しい(実際のご夫妻でもある)。

ネルは未開の森の中で育てられた娘。母親の死後もずっと独りで外界との接触を断ちながら生きている。その様はあたかも過去の幻影を甘受しているようでもある。ネルは普通の英語が話せない。独自のネル語と身振り手振りで表現する。その一言一言を真剣に受け止めようとするジェリーとポーラ。母と娘、人間性と自然、社会との問題など、随所に胸を打つものがある。夜、ヌードで湖に入るシルエットもとても美しい。でも、私が最も好きな場面は、ネルは双子で、幼くして死んでしまった(姉か妹)との森を駆ける懐かしい思い出のシーン。この幼き少女時代の思い出がネルの心の中に深く深く刻まれているようなのだ。

終盤、5年後という設定でネルはジェリーとポーラの娘ルーシーたちと森で再会する(ネルのお誕生日のお祝い)。その小さな少女と戯れる中でのネルの表情がまた素晴しい☆
   
   ネル/NELL
1994年・アメリカ映画 
監督:マイケル・アプテッド 製作:ジョディ・フォスター、レニー・ミセル 原作:マーク・ハンドレー 脚本:マーク・ハンドレー、ウィリアム・ニコルソン 音楽:マーク・アイシャム 出演:ジョディ・フォスター、リーアム・ニーソン、ナターシャ・リチャードソン、リチャード・リバティーニ、ニック・サーシー  
by claranomori | 2009-04-03 22:27 | 銀幕の少女たち・少女映画