『ネル NELL』 未開の森で育てられた娘ネル(ジョディ・フォスター) 監督:マイケル・アプテッド
2009年 04月 03日
ネルは未開の森の中で育てられた娘。母親の死後もずっと独りで外界との接触を断ちながら生きている。その様はあたかも過去の幻影を甘受しているようでもある。ネルは普通の英語が話せない。独自のネル語と身振り手振りで表現する。その一言一言を真剣に受け止めようとするジェリーとポーラ。母と娘、人間性と自然、社会との問題など、随所に胸を打つものがある。夜、ヌードで湖に入るシルエットもとても美しい。でも、私が最も好きな場面は、ネルは双子で、幼くして死んでしまった(姉か妹)との森を駆ける懐かしい思い出のシーン。この幼き少女時代の思い出がネルの心の中に深く深く刻まれているようなのだ。
終盤、5年後という設定でネルはジェリーとポーラの娘ルーシーたちと森で再会する(ネルのお誕生日のお祝い)。その小さな少女と戯れる中でのネルの表情がまた素晴しい☆
ネル/NELL
1994年・アメリカ映画
監督:マイケル・アプテッド 製作:ジョディ・フォスター、レニー・ミセル 原作:マーク・ハンドレー 脚本:マーク・ハンドレー、ウィリアム・ニコルソン 音楽:マーク・アイシャム 出演:ジョディ・フォスター、リーアム・ニーソン、ナターシャ・リチャードソン、リチャード・リバティーニ、ニック・サーシー