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あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『ルイス・キャロルのエロチシズム』 ミシェル・トゥルニエ『海辺のフィアンセ』より♪

『ルイス・キャロルのエロチシズム』 ミシェル・トゥルニエ『海辺のフィアンセ』より♪_b0106921_22352292.jpg

★フランスの作家ミシェル・トゥルニエの『海辺のフィアンセ』という短編集の中に、『ルイス・キャロルのエロチシズム』がある。その他にも好きなお話があるけれど。以前、オルセー美術館を訪れた折の夢のような時間を忘れはしない。何も調べずに行ったのだけれど、『英国展』を開催していて、ラファエル前派の作品も多く観賞できた。また2階の小部屋では「ルイス・キャロルの写真展」が。小さなその暗室には少女たちのお写真ばかり♪

ミシェル・トゥルニエは語る。

奇妙な独身者の情念がこのように溢れ出るためには、ヴィクトリア朝のイギリスのすさまじいばかりのお上品ぶりが必要だったのだ。私たちの、いわゆる自由放任な社会では、このような場合、確実にごうごうたる非難が沸き起こることだろう。しかし、そうだとしたら、間違っているのはこの社会の方だ。なぜならルイス・キャロルの少女たちにたいする愛は、言うまでもなく厳格にプラトニックなものであったし、そうでしかありようがなかったのだから。

エロチシズムだって?たしかに。それは最高のエロチシズムなのだ。一人の天才の人生のすべてを巻き込み、崇高な作品へと結晶する愛としてのエロチシズム、情念としてのエロチシズム、情愛としてのエロチシズム。


☆私はこのミシェル・トゥルニエの言葉を愉しい面持ちで読む。けれど、ある人はこの”エロチシズム”という言葉、または少女たちを写真に撮るルイス・キャロルを邪な色眼鏡で見るお方もいるだろう。100%と言っていい程、少女たちの存在がルイス・キャロルの純粋なる心、人生に必要不可欠なものだったのだと私は信じる。おこがましいけれど、そのお気持ちが分かるようであるから♪
by claranomori | 2009-02-26 23:12 | 少女愛考・少年愛好