ジェシカ・ハーパーという女優さまを初めて知ったのは、ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』(1977年)だった。ところが、怖くて怖くて観返す勇気もいまだになく、ハッキリとお話を思い出せない。直視できない場面が多くとにかく怖かった。けれど、ゴブリンの音楽や、バレエ学校の少女たちやジェシカ・ハーパー扮するスージーのお顔は今も浮かぶ。そして、後に観た、ブライアン・デ・パルマ監督の『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)のフェニックス役のジェシカ・ハーパー。こちらはホラー映画ではなく音楽映画とも言えそうな楽しい作品だった。大筋は覚えているけれど、やはりこの作品でも可憐なフェニックスの姿がしっかり焼きついている。
ダリオ・アルジェントとブライアン・デ・パルマ!一時はいくつもの作品がごちゃごちゃと絡まりながら記憶されていたものだ。たとえば、大好きなシシー・スペイセク主演の『キャリー』やマーゴット・キダー主演の『悪魔のシスター』、または、アーシア・アルジェント主演の『トラウマ 鮮血の叫び』...などなど。私は鮮血ホラーがとっても怖くて苦手なのに、それでもヒロイン(少女)役のお方が美少女だったり病的な美しさを漂わせていたりするので彼女たちが見たい...という大きな目的ゆえに観る。シシー・スペイセクを筆頭に、10代の少女役を実年齢はもっと大人なのにすんなり演じてみせる女優さまたちがおられる。このジェシカ・ハーパーも、フェニックス役、スージー役共に20代であるけれど、印象は少女役のヒロイン!華奢な体型というのも大きいのだろうけれど、本来持ち合わせている魅力と演技力や描き方などから、そのような印象を強く受けるのだと思う。
ファントム・オブ・パラダイス/PHANTOM OF THE PARADISE
1974年・アメリカ映画
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ 撮影:ラリー・パイザー 美術:ジャック・フィスク 音楽:ポール・ウィリアムズ、ジョージ・アリソン・ティプトン 出演:ポール・ウィリアムズ、ウィリアム・フィンレイ、ジェシカ・ハーパー、ジョージ・メモリー、ゲリット・グレアム
サスペリア/SUSPIRIA
1977年・イタリア映画
監督・脚本・音楽:ダリオ・アルジェント 撮影:ルチアーノ・トヴォリ 音楽:ゴブリン 出演:ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリ、ジョーン・ベネット、ステファニア・カッシーニ、ウド・キア、ミゲル・ボゼ
★『ファントム・オブ・パラダイス』の美術担当はジャック・フィスクだったのだ!と今知ったところ。ジャック・フィスクはシシー・スペイセクのご主人である。こうした発見や繋がりを想うとこれまた愉しい♪