あまりにも私的な少女幻想、あるいは束の間の光の雫。少女少年・映画・音楽・文学・絵画・神話・妖精たちとの美しきロマンの旅路♪


by chouchou
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『メリーゴーランド』 ルカ少年(レナート・チェスティエ:RENATO CESTIE)♪

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ライモンド・デル・バルツォ監督のイタリア映画である『メリーゴーランド』(1974年)は高校生頃にテレビで観てただただ号泣していた記憶がある。今だとまた違う思いもあり、さらに心に沁み入る作品。嘗て、このような不治の病による親子の悲しい別れを描いたものは多く、私は今もそのような作品がやはり好きなよう。ブロンドの髪とそばかす顔の愛らしい10歳の少年ルカ(レナート・チェスティ)は母親を亡くし父親と二人暮し。弁護士でお仕事が多忙な父ロベルト(ベキム・フェーミュ)はなかなかルカと一緒に過ごす時間を持てない。寄宿学校に通うルカはいつも寂しさを抱いて亡き母の姿を想ったりしている。ルカには仲良しの少女ステファネラ(マルゲリータ・メランドリ)がいる。彼女には両親がいるけれどあまり仲良くないようだ。この少女も印象に残るお方で、やたらとお腹が空く大食家。ルカは父親が大好きだけれど、一緒にお食事する時間も遊びに行く時間もあまりない。学校がお休みになり、海に行く約束をする。本当はパパとふたりが良いのだけれど、父の恋人であるヴェロニカ(アゴスティーナ・ベリ)も同行することになる。”パパは僕のものだ”と彼女に対して不機嫌な態度のルカ。その気持ちもとても分かるのだけれど、このヴェロニカは心の広い女性で、ロベルトは再婚を考えているけれど彼女はルカの気持ちを常に優先している。そんな大人の事情など10歳の少年には分からないながらも、いつの間にかルカとヴェロニカの絆も育まれてゆく。しかし、悲しい予期せぬこと。ルカは白血病で余命僅かという過酷な現実が訪れる。父の苦悩は冒頭から表れている...美しいメロディのシングル・レコード。このレコードはルカが”大好きなパパへ”とジャケットに書いてプレゼントしたもの。やや脱線するけれど、ルカがそのレコード店で試聴している時に、カウンター内にデヴィッド・ボウイさまのLP『アラディン・セイン』が飾られているのにトキメク私♪

終盤、病院で過ごすルカの治療はもう限界だと医師は告げる。ルカが父に”遊園地に行きたい”と言う。もう遅い時間ながら父は遊園地に向かい誰もいない夜の遊園地をふたりで過ごす。”ごめんなさい。お別れだね。でも泣かないでね...”というルカの最期の言葉を聞き息絶えた可愛い我が子を抱きしめながら、メリーゴーランドは回っている...その光景を見つめるヴェロニカも涙が溢れる。映画の最初にジャック・プレヴェールの詩が表れるのだけれど、私の持っている詩集とは少し違うけれど、おそらく『楽園』の「この愛」の中の一節だと想う。好きな美しい詩である☆
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メリーゴーランド/L'ULTIMA NEVE DI PRIMAVERA
          1974年・イタリア映画
監督:ライモンド・デル・バルツォ 脚本:ライモンド・デル・バルツォ、アントニオ・トロイソ 原作:マリオ・ガリアッツォ 撮影: ロベルト・デットーレ・ピアッツォーリ 音楽:フランコ・ミカリッツィ 出演:レナート・チェスティエ、ベキム・フェーミュ、アゴスティーナ・ベリ、マルゲリータ・メランドリ
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by claranomori | 2009-01-31 20:07 | 銀幕の美少年・少年映画